就業規則は従業員との約束です

 我が国の労働市場は重大な転換期を迎えています。日本的雇用慣行、すなわち正規社員の長期雇用、年功序列が崩壊しつつあるということです。「暗黙の了解」で従業員ががむしゃらに働く時代は終わりました。

 これからの時代、口約束では従業員との信頼関係は構築できません。会社が労働契約の内容を明示し守るのはもちろんのこと、企業秩序を安定させるために従業員に理解を求め、約束を守ってもらわなければなりません。そのための第一歩は自社ならではの就業規則をしっかりと作り、周知することです。


就業規則とは

次の二つに要約できます。

  •  会社の法規範
  •  会社と労働者との労働契約 

 (労働契約法第7条、第10条)

法律上の効力順位

 効力の強い順番は次のとおりです。

  1. 法令
  2. 労働協約(会社と組合の約束)
  3. 就業規則
  4. 労働契約(会社と個人)

(労働基準法第13条、第92条、労働契約法第12条)


就業規則Q&A

Q1 就業規則を作るメリットは何ですか?


A1 口約束はいつか必ずブレが出ます。就業規則で従業員の労働条件を明示することにより見解の相違によるトラブルを未然に防止します。 服務・懲戒規程を定めることにより職場規律維持の実効性が担保されます。しっかりと周知できていれば重要な局面における有効な判断基準になります。

Q2 本のサンプル規程を利用すればいいのでは?

A2  規定の一字一句が明暗を分けます。専門家の書籍が役立つのは間違いありませんが、一般向けに編集していますので適用に限度があります。専門知識に基づいて法解釈ができなければサンプル規程の修正は危ういものになります。普段、本業に打ち込んでいると就業規則の文言などは忘れてしまいますから、後で紐解くためにしっかりと作りこんで安心を獲得してください。

Q3 これまで就業規則がなくてもやってきた

A3  従業員と争いになった場合、あるべき就業規則がないと著しく使用者に不利になります。裁判では後付けの論理は一切通用しません。アルバイトも含めて常時10人以上の労働者を使用している事業所は届け出なければなりません。10人未満で作成していない場合は労働基準法違反が問われないだけであり、懲戒ができないなど企業秩序維持に制約を受けることになります。